検査・検診のためのQ&A

大腸がんの検査・検診はとても大切です。
しかし、他のがん検査・検診に比べ、受検者が非常に少ないのが現状です。
なぜ、大腸がん検診を避けてしまうのでしょう?
それには多くの女性たちが検査や検診に対して、不安を抱えているからかもしれません。
そこで、大腸がん検査・検診に関してわかりやすくお応えします。

Q&A

Q:最近、おなかの調子がよくありません。
     やはり検査をしてもらったほうがいいのでしょうか?

A: おなかの調子にもよりますが、今まで便通が良かったのに便秘気味になったとか、下痢と便秘を繰り返すようになったとか便通に異常がある場合は、専門医の診察をお勧めします。 大腸の検査をしたことがない方は、この機会に一度検査を受けられるのがよいでしょう。
 

Q:一度も大腸がん検査をしたことがありません。
     今年で40歳になるのですが、そろそろ受検したほうがいいですか?

A: 40歳台での大腸がんは、頻度としては少ないのですが、年々増加傾向にあります。検便で便潜血検査(便の中に目に見えない血液があるか調べる検査)がありますので、一度受けられたらいいと思います。 家族や血族の方に大腸がんや子宮体がん、卵巣がんの方がいる方や50歳になる方は、大腸内視鏡検査をお勧めします。
 

Q:大腸がんの検査や検診ってどこにいけばいいのでしょう?
     病院だと何科にいけばいいのでしょう?

A: 便潜血検査は、内科、消化器科、消化器内科、消化器外科を標榜している診療所で行っています。大腸内視鏡検査は、診療所でも行っているところもありますので、お問い合わせしてみてください。 病院では、内科、消化器内科、消化器科、内視鏡内科、内視鏡科、光学医療診療科、消化器外科、外科で診察を受けて、大腸内視鏡検査を予約するようになります。病院によって担当する科が異なりますので、受付や患者相談窓口でお聞きになるといいと思います。

Q: 大腸がん検査や検診って具体的にどんなことをするのですか?
A: 大腸がんの検診の基本は、便潜血検査です。大便を検査用のスティックで採取して容器に入れます。便の中にある目に見えない血液を検出する検査です。がんからの出血は毎日出るとは限らないので、2日間にわたり大便を採取した方が大腸がんを発見する率が高くなりますので、通常2日法といって2本を検査に提出します。 2日のうち1日でも陽性(血液が検出)の場合は、大腸内視鏡検査または、注腸X線造影検査(腸のレントゲン検査)を受けることになります。

Q: 病院で内視鏡検査を勧められました。どんな検査をするのですか?とても不安です。
A: 大腸の中には、大便がありますので、まず腸管前処置と言って腸をきれいにする下剤や洗浄液を服用して大腸の中をきれいにします。 腸管洗浄液(ニフレック、ムーベン、ビジクリア、マグコロールPなど)は、病院やクリニックで服用する場合と家で服用する場合とあります。 検査室では、検査の前に腸の運動を抑える注射や場合によっては鎮静剤や鎮痛剤を注射します。大腸の内視鏡は、直径10数㎜の長い管になっていますので、これを肛門から大腸の中へ入れて、内部の様子を観察します。全大腸内視鏡検査では、内視鏡を盲腸まで挿入して大腸を全部観察します。大腸は、1m50㎝くらいの長さの曲がった管です。内腔をみるため、内視鏡の先端にある穴から空気を注入しながら観察しますので、少しお腹が張ります。 肛門から盲腸まで観察しながら挿入し、また抜きながら観察してきます。 特別のことがなければ、10分から20分程度で終了します。


Q: 内視鏡検査はとても痛いと聞いてます。本当でしょうか?
     また、費用は高いのでしょうか?

A: 大腸は曲がっていますので、内視鏡を挿入するときに屈曲したところを通るときは、おながか引っ張られる感じがしますが、痛みはそれほど強くありません。 奥まで内視鏡が入ってしまうと、抜いてくるときは屈曲部も痛くないのが普通です。 しかし、おなかの手術を受けられたりして腸管に癒着のある方や、腸管が長くて曲がっている方は痛みを感じる方もいらっしゃいます。 その場合は、鎮痛剤や鎮静剤を使用して楽に行う方法もありますので、担当の先生と相談するとよいでしょう。  費用は、大腸の内視鏡検査だけであれば、3割の健康保険で6~7,000円くらいです。 生検(大腸の組織を一部とって顕微鏡で検査する)を行った場合は、10,000円くらい、ポリープ切除の治療をした場合は、20,000円くらいかかります。


Q: 内視鏡検査の予定日に生理になりそうです。それでも受検できますか?
A: 生理中でも検査は可能ですが、腹痛や生理の量が多い場合は、時期をずらした方が、検査は楽に行えると思いますので、担当医とご相談ください。
 

Q: 恥ずかしい話ですが、痔をもっています。それでも内視鏡受検はできますか?
A: 痔のある方ほど大腸内視鏡検査は、必要です。肛門出血がある場合でも痔のせいにして大腸がんからの出血に気が付かないことがあるからです。 検査の時には、肛門の周りに痛み止めのゼリーを塗りますので、痔の痛みはさほど感じないと思います。

Q: 内視鏡検査の前後は入院しなければいけないのですか?
A: 大腸の内視鏡検査は、通常、外来で行われますので入院の必要はありません。検査後、内視鏡室で休んだ後帰宅できます。鎮痛剤や鎮静剤を使用した場合は、車の運転はできません。 大きなポリープの内視鏡切除や早期大腸がんの内視鏡治療をする場合は、入院が必要となります。


Q: 去年、内視鏡検査をしました。当分は検査しなくても大丈夫でしょうか?
A: 去年の大腸内視鏡検査でポリープなどの異常がなければ、便潜血反応が陰性で、症状もなければ3年間隔で行っても毎年行った方と大腸がんでの死亡率は変わりません。家族や血族に大腸がんや卵巣、子宮体がんの方がなく、毎年の便潜血検査を行って陰性であれば、大腸内視鏡検査は3~5年後でも良いと思います。 良性のポリープを内視鏡で切除された方は1年後に、早期がんを内視鏡で切除された方は6か月後に大腸内視鏡検査を勧めています。

Q: どうしても内視鏡検査に抵抗があります。ほかの検査方法はないのでしょうか?
A: 大腸内視鏡検査の代わりになる検査としては、注腸X線造影検査と大腸3D-CT検査があります。 これらの検査も内視鏡検査と同じように腸管前処置で腸の中をきれいにした後検査を行います。 注腸X線造影検査では肛門からは、バリウムと空気を入れていきます。 体位変換でバリウムを大腸全部に送り込みさまざまな方向から大腸のレントゲンを撮影します。 癒着があっても、バリウムも空気も通常は盲腸まで入っていきますので全大腸が検査できます。 これに対して大腸3D-CT検査では、肛門から空気または炭酸ガスを入れて高性能なCT装置で仰向けと腹這いの2回撮影するのみです。 CT装置で得られた腸管の画像データをコンピューターで解析して内視鏡でみられるのと同様な画像を作製します。 その画像を見てポリープやがんがあるかどうか判断します。 しかし、大腸3D-CT検査は、6㎜以上のポリープやがんは、大腸内視鏡検査と同等に発見されるとされていますが、小さな病変や扁平な病変は、見つかりにくいとされています。 また、小さなカプセルを飲んで大腸を調べる大腸のカプセル内視鏡検査というものもありますが、現在開発中です。  いずれの検査も、病気が見つかれば、大腸内視鏡検査が必要となります。精度に優れ、観察と生検や治療が同時にできるという利点から考えても大腸内視鏡検査が最も優れた検査と思いますので、抵抗感を捨てて専門医に相談されてみてください。